緑村吟詠会
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巻頭言

  文化の日改名運動に寄せて

       緑村吟詠会会長 渡 邉 誠 道

 

今年も四月二十九日がやって来る(本稿を書いているのは四月十日)。四月二十九日を、昭和天皇崩御後、昭和天皇を記念する意味を込めて「みどりの日」として祝日とした。ところが「みどりの日」という名前では時間が経つと単なる休日と思われ、昭和天皇の記念日ということが忘れられてしまうのではないかという懸念が、当時から新聞等に示されていた。

その後、「みどりの日」では昭和天皇との関係が明確でないとの批判の声が次第に多くなり、平成五年に民間有志の「みどりの日改名」を求める運動が開始された。(当時、私もその活動の一端に連なったのだが、体調を崩し活動から身を引いた。)

その後次第に運動は広がり、平成十二年三月には祝日法改正法案として参議院に提出された。だが二度の廃案の憂き目に会い、実現は難しいと思われたが、平成十七年ようやく衆議院で可決され、平成十七年五月に公布され、平成十九年四月二十九日、第一回目の「昭和の日」が、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日として実現し、盛大に式典が挙行されたのだった。そしてその後、毎年四月二十九日には全国各地で式典が開催されて来た。そして今年も例年通り予定されている。

「昭和の日」が制定されて十年。次第に昭和が遠くなり、二年後には平成生まれの三十歳が出現する。もし四月二十九日が「昭和の日」ではなく「みどりの日」のままであったら、激動の昭和の歴史に思いを寄せる国民はかなり少なくなっていたのではないかと思われる。

昭和の日本は、世界史的に見ても特筆大著できる激動の歴史の日々であったと思う。それゆえこの「激動の昭和」を記念して後世に伝えることは大変意義深いことと思う。

名称が「昭和の日」となっていなければ四月二十九日はゴールデンウィークの中の単なる休日の一日に過ぎない日となっていたのではなかろうか。それゆえ、「昭和の日」として昭和天皇のお生まれになった日を祝日として残したことは、意義のあることであった。

 

「文化の日」を「明治の日」に

日本の祝日は「元日、成人の日、建国記念の日、春分の日、昭和の日、憲法記念日、みどりの日、こどもの日、海の日、山の日、敬老の日、秋分の日、体育の日、文化の日、勤労感謝の日、天皇誕生日」の十六日ある。祝日は本来、その日の由来や趣旨と名称が一致すべきと思うが、「文化の日」と「勤労感謝の日」の二つは名称からその祝日の由来を全く想像することができないのではなかろうか。

十一月三日は「文化の日」となっているが、昭和二十二年までは「明治節」と呼ばれていたことをご存知の方もいると思う。明治天皇の誕生日の十一月三日が「明治節」として制定されたのは昭和二年のことである。大正十四年、国柱会の田中智学が中心となって、明治天皇記念祝日制定の請願運動により全国から署名が集められ、衆議院と貴族院に提出され、大正天皇崩御後の昭和二年に制定された。その後二十余年の間「明治の日」として国民に親しまれ、全国各地で奉祝されていた。

それが、敗戦三年後の昭和二十三年、「国民の祝日に関する法律」によって、明治節が文化の日、新嘗祭が勤労感謝の日、春季皇霊祭が春分の日、秋季皇霊祭が秋分の日に改称され、原始祭、神武天皇祭、紀元節などが廃止された。

占領下で、GHQによる強制があったとはいえ、「極東国際軍事裁判」(東京裁判)で、「八紘一宇」が侵略思想ではないことを認めさせたように、日本政府が毅然とした対応をとっていたならと思えてならない。紀元節を始めとする日本の歴史に根ざした祝日の名称の改称はしなくてすんだのではなかろうか。

しかし、漸く平成になって国民の中に日本の歴史を取り戻そうという動きが出てきた。平成二十年十一月三日の文化の日に、元民社党委員長・塚本三郎氏を会長として第一回「明治節奉祝のつどい」が開催された。その中で

「昭和の日」の実現にならって、「文化の日」を「明治の日」に改めるべきではないか。「昭和の日」の趣旨は、「明治の時代を追憶し、わが国の近代化に於ける苦難と光栄に思いをいたす」という趣旨の「明治の日」に連動されてこそ意義も徹底する。

として「文化の日」を「明治の日」に改名する運動が始まった。

そして、昨年(平成二十八年)十一月一日には衆議院議員会館で超党派の国会議員による院内集会が開かれ、与野党の十四名の国会議員の賛同を得て、議員連盟の結成、法案提出へ向けて現在も活動をしている。

この動きは大手マスコミも少しはとりあげるようになっているようである。(朝日新聞、産経新聞、東京新聞、テレビ東京など)だが、国民の関心は、築地の豊洲移転、森友学園、北朝鮮情勢などにどうしても向いてしまう。

来年は明治維新百五十年ということで、本会の来年の大会のテーマは「西郷隆盛」の漢詩を取り上げることになっている。明治維新という未曾有の歴史を切りひらいた西郷隆盛を取り上げ、激動の幕末維新を西郷隆盛はどのように考え行動したのかを知ることは、現在の日本を考える上で大変参考になると思う。

現在、日本を取り巻く情勢は、幕末維新の頃と同様に非常に複雑で、しかも緊張をはらんでいるように見える。それゆえ日本の行く末を考える時、明治維新を見直すことは大変重要なことだと思う。

その意味で「文化の日」を「明治の日」へ改名する運動も、日本人の根幹を考えるために必要なことと思う。

会員の皆様の賛同・協力を得られるのであれば、本会としてもこの「明治の日」制定に向けて協力をして行くことを考えてみてはどうであろうか。


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