昨年暮れの鳳詠会の折、来年は昭和百年ではないかという話が出て、来年の大会のテーマにとの話が出ました。その後調べましたところ、令和八年が昭和百年だということに気づきました。それでは緑村吟詠会としてはどうなのかと思い、坂本坦道先生の著書「道一貫」と「緑村とその吟詠」を調べたところ、北海道巡講時代の記述に「(第一回巡講は大正十四年)第二回は、昭和元年一月、旭川に約二か月滞在、附近の村落青年に吟詠指導を行った。先生の教育吟詠による本格的な指導はこの頃から始まった。」と書かれておりました。そうすると昭和百年と同じ年が緑村吟詠会の節目の年かと思いましたが、よく考えてみますと、昭和元年は十二月二十五日から三十一日までしかなく、一月はありません。ということは昭和元年ではなく大正十五年一月に緑村先生が教育吟詠の本格的指導を始められたのではないか、昭和元年と大正十五年が同じ年であるために、書き間違えたのではないかいうことに考えが至りました。そこで本年の本部大会を「教育吟詠創唱百年記念大会」と銘打たせていただきました。 教育吟詠四十周年・渡辺緑村十五年祭記念のおり、坂本坦道先生が『吟聖緑村とその吟詠』の中で「今や廟議統一なく、国歩艱難民心亦浮薄にして道義地に堕ち、邦家の前路まことに容易ならざるの秋、道義の高揚と国運の挽回とを絶叫し去った先生の足跡にかんがみることも亦大いに意義あるものと考えられる。延いてはこの企てが世道人心の向上に資する事があらば又無上の幸いである。」と序文に書いておられますが、今日の日本社会のおかれた状況もまた当時と同様に厳しい状況であると思われます。このようなときこそ、日本の指針となる緑村先生の精神を学ぶことが重要ではないかと存じます。本大会がその一助となるならば幸いです。 令和七年五月二十六日 会長 渡邉誠道 教育吟詠創唱百年偶感 渡邉 誠道 先師求道徹忠誠 先師 道を求めて 忠誠に徹す 興會百年傳正聲 会を興して百年 正声を伝ふ 任重教尊前路遠 任重く 教え尊く 前路遠し 詠風向後廣東瀛 詠風 向後 東瀛に広めん |