ご挨拶 本日ここに令和三年度教育吟詠大会を開催出来ましたこと、まことに有難いことであり、本日お出でいただいた皆様に感謝申し上げます。 昨年の大会もコロナのため11月1日の開催となり、今年こそは例年通りの大会をと思っておりましたが、第3波、第4波と全国に感染者が増え、大会を見送らざるを得なくなりました。高齢者へのワクチン接種が進み6月下旬ころはかなり感染者が減ったものの、7・8月には第5波で急激な感染者が増加し、この先どうなるかと思いました。 しかし、ワクチン接種が進んだ9月には急激に感染者が減少し、東京都ではこのひと月、新規感染者が30人以下の日が殆どとなっており、喜ばしいことに少し落着きを取り戻しつつあります。 このまま終息してもらいたいものです。 本大会を企画したころは第5波の真っただ中で、開催できるかどうか分からないものの、吟詠の練習会場が使えるようになったのだから、小規模でも大会を実施したいとの皆様のお気持ちによって本日を迎えることが出来ました。 本大会開催にご尽力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。 さて、本大会のテーマは「明治維新前夜の詩を詠ずる」となっております。このテーマは昨年の大会後の本部研修会で日髙様からのご提案です。本年の大河ドラマ「青天を衝く」は渋沢栄一が主人公で、幕末~明治維新を描いたものであることから、時宜にかなったテーマであるということで意見が一致して決められました。 「青天を衝く」というドラマの題名は、渋澤栄一(青淵)の古詩「内山峡之詩」の中の一節からとったものです。なお「内山峡之詩」は本日のプログラムの25番目にあり、後ほど皆さんと合吟いたします。 現在ドラマは明治維新後の新しい国家システムと経済および社会システムをいかにして作ったかという、まことに興味深い時代を描いております。 これまでテレビや小説で描かれた幕末維新というと、西郷隆盛、大久保利通、吉田松陰、木戸孝允、坂本龍馬といった薩長土肥の人々を描いたものが大部分で、どちらかと言えば志士の活躍を中心に描いたものが主だったようです。 しかし、大河ドラマ「青天を衝く」では維新前夜の農民の様子や、幕末維新の中で誰がどのように社会システムを変革したのかが垣間見えて、非常に興味深い内容となっております。まさに「目からうろこが落ちる」ような内容です。 本会、鉄砲洲支部の会員であり、中齋塾の塾長である深澤賢治先生は、平成25年に“陽明学のすすめシリーズ”の第五弾として「渋沢栄一」を書かれており、渋沢栄一の人物と思想および事績について大変詳しく、後ほどご講演をして頂きますことになっております。 非常に興味深いお話をうかがえるのではないかと楽しみにしております。 最後に、来年は渡辺緑村先生がお亡くなりになって70年、坂本坦道先生がお亡くなりになって10年となりますので、記念大会を企画しております。 コロナが終息して、来年こそは緑村吟詠会の会員および、関係諸団体の皆様と共に盛大に大会を実施したいと存じます。なにとぞご協力のほどお願い申し上げます。 令和3年11月21日 緑村吟詠会会長 渡邉誠道 |